掛け軸のたのしみ2

一番大切にしている掛け軸 「漫遊」です
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書作品が気に入っているというよりも
軸が出来上がるまでのプロセスが大切な宝物だからです

わんちゃんがいてくれると思いがけない副産物がたくさんあります
毎日のお散歩もその一つ♪
いつも家から車で出入りしているのでご近所のお付き合いも
ゴミの日に軽い会釈をするぐらいで殆どお顔もわからなかったのに
毎日お散歩するようになってからは犬同士で仲良くなったり
声をかけていただいたりして自然な形でどんどん交流が広がります
近くても車では通らない道などあちこち歩いてみると新発見がたくさんあります

仲良しのアンディちゃんと
e1032 アンディちゃんは2才お兄ちゃんです

ちゃびんちゃんと歩いているとご近所のあるお宅の離れのような入口に
古い木の看板が掛けてあり よくよく見ると「御表具處」と書いてあるのを発見
時々前を通っては気になっていましたが
時間帯が合わないのかなかなかどんな方がおられるのかわからない
気になりながら何年もたつうちに白髪の男性を何度かお見かけしました
営業している感じではなく趣味のアトリエなのかなと思いつつ
運よくお散歩のときにお姿が見えた9年前に思い切ってベルを押してみました
お名前はIさん 70~80歳ぐらいにお見受けしていましたが90歳とのこと
20年以上も一人暮らしで 以前は表具師としてお仕事をされていたことなど
たくさんお話していただき その場で無理やり掛け軸の製作をお願いしました
「漫遊」は2つめに依頼したもので 2つともも芦屋市の役員書作展に出品しました
もう年だからと謙遜されてなかなか受けてくださいませんでしたが素晴らしい仕上がりです
普通は字を書いてから表具の配色などを決めますが
私はIさんに仕立ててもらいたくて裂地を先に捜し それから作品を書きました
何度もアトリエに通って二人で床に這いつくばって5㎜や1㎜のことで意見を出し合ったり
お宅にお邪魔して 掘りごたつでお喋りしながら大きな火鉢でめざしを焼いていただいたり
何時間も話しは尽きずにいつも長居していました
ユーモアたっぷりの素敵なお方で あんなふうに歳を重ねていけたらなぁ…
と羨望のまなざしでした
製作期間の数か月間や知り合ってからの2年間は本当に楽しい思い出ばかりです
どうしてもっと早くにお訪ねしなかったのだろうと心底後悔しています

これが出来上がった後もまだまだお願いしようと
たくさんの裂地を探し求めては作品を書きましがそれはもう叶いませんでした
やむを得ず書きためたものを自分で仕上げるのため表装を習いはじめました
『この掛け軸を飾るときにはこんな年寄りのこともたまには思い出してやってください』
と深く優しい笑顔でおっしゃったお声が聞こえてきます

b31表装教室で作った軸の中で
一番気に入っているのはこの桜の軸です
半年だけ習ってみた手描き友禅の桜の絵です
母が4月生まれなのでお誕生日にプレゼントしました
ちょうど今の時期にぴったりです
お部屋で花見が出来るね!!
と毎年飾ってくれています

Iさんのお宅で「一閑張り」 を見せていただき
見よう見まねで作った籠なども
また載せたいと思います

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